1990 下水道調査
目に見えない都市基盤を守る
当社が下水道工事に着手したのは、1990年(平成2年)。
1990年代後半には、1960年〜70年代に整備された下水道が老朽化の時期を迎え、維持管理の必要性が高まってきた。
そのため、1999年(平成11年)より下水道調査・維持管理事業に本格参入し、新たな社会的使命を担う道を歩み始めた。


時代が求めた新事業
1995年(平成7年)、阪神淡路大震災が発生。下水道管路の損傷が問題化し、須山建設は大阪府へ災害調査隊を派遣した。この経験が、下水道工事分野への本格参入を図るきっかけとなった。
また、高度経済成長期に整備された下水道は30年近くが経過し、老朽化による破損や漏水が各地で発生していた。国や自治体は「整備から維持管理へ」と方針を転換し、テレビカメラ調査の導入が進んだ。そして維持管理市場が本格化していく中、当社もこの分野を強化することとなったのである。
ゼロからの体制構築
1999年(平成11年)、グループ会社との調整を経てテレビカメラ調査機材を導入し、下水管渠調査の取り組みを開始。過去のデータが何もない中で毎日市役所に通い、営業活動を続けた。報告書の書式すら確立されていない時代。市の担当者と協議を重ね、現在の報告書の形を作り上げていった。
テレビカメラ調査には、管路の清掃が不可欠だ。そのため、後に高圧洗浄車と吸引車を導入し、清掃から調査まで一貫して行える体制を構築した。


ワンストップ対応で急成長
初年度の売上は2,000万円程度だったが、翌年には1億6,700万円、翌々年には1億7,400万円と急成長を遂げた。17年後の2016年(平成28年)には2億円に達し、近年では4億円を超える規模にまで拡大している。
成長の鍵は、ワンストップ対応にあった。現在、当社は管内清掃から各種調査、さらに異常箇所の開削工事、部分更生、管更生まで対応が可能だ。工法協会にも加盟し、調査・診断・修繕までを総合的に提供できることが強みとなっている。点検診断では、漏水やひび割れなど、陥没につながる箇所を重点的に調査。有資格者が診断を行い、結果に基づいた修繕提案を行っている。
24時間365日の緊急対応
2015年(平成27年)頃からは、浜松市の緊急業務を開始。市内の半分のエリアを担当し、24時間365日体制で対応している。主な緊急要請は、下水道の詰まりや合流式下水道エリアでの陥没だ。緊急対応は予測不可能で、スケジュール通りに仕事を進めるのが難しい。緊急対応のため、その日の担当者は退勤後も飲酒を控え、市内に待機している。最も困るのは道路を掘削している最中に緊急の連絡が入ること。一度埋め戻して現場へ向かい、翌日また掘り直さなければならないからだ。市役所とは緊密に連携し、現在はLINEを活用して写真や位置情報を迅速に共有。市からの信頼を得て、他の仕事にも繋がっている。
災害支援という使命
東日本大震災、能登半島地震と、当社は大規模災害の被災地へ何度も支援に赴いた。能登半島地震では、マンホールが1メートルも浮き上がり、内部の管路が破壊されていた。軟弱地盤のため、一部地域では下水道を復旧せず浄化槽に切り替える選択肢も検討された。
当社が保有する特殊車両や機材は他社にはないものが多く、災害対応で頼りにされる理由の一つとなっている。ライフラインを維持する公共事業への貢献。それは昼夜を問わず、地域社会を支え続ける使命感のもと遂行されている。
