2011 コンクリート長寿命化

Project Story
時代の流れを捉え新たな事業へ挑む

老朽化するインフラに
超高圧という最適解を

高度経済成長期に建設された各地の橋梁が、50年の時を経て老朽化。
その課題に、パブリック技建は「超高圧洗浄」という新たな技術で挑んだ。
2011年(平成23年)、売上4,000万円でスタートした事業は、3億円規模へと成長。地域のインフラを守る、新たな部門が誕生した。

新たな挑戦の始まり

2010年(平成22年)、当時三代目社長は新規事業の可能性を模索していた。候補に挙がったのが、超高圧洗浄機ウォータージェットを活用したコンクリートメンテナンス事業だ。東名高速道路のオーバーブリッジでの剥落防止工事で実績のある技術を、事業の柱にできないか。そこで、須山建設から転籍した担当者が各方面に相談を重ね、この事業を提案。社内には慎重な声もあったが、翌2011年(平成23年)、機械を導入。下水道部門との合同体制での船出となった。

鉄筋を傷つけない技術

ウォータージェットの圧力は100〜250メガパスカルまで調整できる。その威力は、わずか1円玉の面積に7トンの象が乗るほどの圧力に相当する。強力な水圧でコンクリートを斫っても、内部の鉄筋を傷つけない。この特性が、NEXCO東日本などの高速道路会社から評価され、仕上げ工程で指定されるようになった。
さらに、時代が事業を後押しした。高度経済成長期に建設された橋梁は、老朽化が深刻化していた。1995年(平成7年)の阪神淡路大震災以降、耐震基準が見直され、橋梁の補修・補強需要が急増。国土交通省が5年に一度の定期点検を義務化したことも追い風となった。

上瀧橋
名月橋

橋梁メンテナンスの総合的な提案を可能に

同事業は、遠州鉄道の高架補修工事を請け負ったのを機に、本格的な実績を積み上げていく。橋梁の補修、補強、修繕、耐震補強。配水池のクラック補修。手がける現場は多岐にわたった。
しかし、ウォータージェット作業は過酷だった。水を圧縮するため、作業中の水温は80度以上に達する。完全防護服での作業は冬でも熱中症のリスクを伴い、作業員は30分で体力を消耗してしまう。猛暑の時期はなおさらだ。そのため人員確保が難しく、自社施工から協力会社への委託へと方針を転換した。それでも、機械を保有していることの意味は大きかった。ウォータージェットという技術力を武器に、橋梁メンテナンスの総合的な提案ができるようになったのである。

経験が生み出した唯一無二の技術

メンテナンス工事に定型はない。いつ施工されたのか。どんな材料が使われたのか。周辺環境はどうか。すべてを考慮して、最適な補修方法を判断する必要がある。そこで、長年の現場経験から培った知見で、構造物の劣化を診断。現場に合わせた柔軟な提案力が、顧客からの信頼に繋がった。しかし、当時の担当者は謙虚にもこう語る。「100%うまくいった現場はありません。常にもっと良くできたはずだと反省します」.…その姿勢こそが、この技術を磨き上げてきたのだ。売上は着実に伸び、2011年(平成23年)当初の4,000万円から、11年後の2022年(令和4年)には約3億円に達した。

老朽化するインフラを守り、未来へ繋ぐ

2022年(令和4年)、コンクリートメンテナンス部門は法面部門と統合され、環境防災部門となった。部門全体で8名が在籍し、両方の業務に携わる人材育成を進めている。大規模な耐震工事は一段落しつつあり、昨今は小規模なメンテナンス案件が中心だ。しかし、気候変動や地震による災害が頻発する時代、インフラメンテナンスの重要性は増している。当社の多岐に渡る業務の中でも、コンクリートメンテナンスは特に難しい分野。技術や知識をしっかりと身につけ、ニーズに即した提案を積極的に行わなければならない。
これまでに築いた基盤を次世代へと継承しながら、今後も老朽化するインフラを守り、未来へとつないでいく。